「あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら」読書感想

日本の、残酷な事実。この本を読むと、気持ちが暗くなる反面、危機感も湧いてきます。

日本政治の腐敗ここに至れり、といった昨今ですが、日本全体にとって不都合で残酷な事実は、容赦なく問題への対処を迫ってきます。

改めて一国民として、世に言われている日本の危機を認識するのにいい本であると判断したため、ここで感想を書いてみたいと思います。

あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら
江上 治
経済界
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具体的な数値はあまり頭に入ってこなかった。ただ、このままではやばいってことはわかる。

本書では、序盤数値や絵本形式での説明を通して、日本がいかに危機にひんしているかをこれでもかと投げかけられます。具体的な数値やグラフを多く使いながら、わかりやすく説明してくれています。

読んでみて、具体的な数値そのものはあまり印象に残りませんでした。感じたのは、漠然とですが、近未来の日本がやばいということ。それだけはハッキリしています。

特に深刻なのが高齢化。人口減とともに労働人口も減るのに、高齢人口の割合はどんどん増えていき、医療費や社会保障費で行き詰まるという未来はもう目に見えていると認識させられました。このことに、日本人はもっと目を向けるべきだと思いました。

さらに、日本は借金大国であり、GDPという”稼ぎ”を超えた借金が既に存在しているという事実は、重たく僕の心にものし掛かってきました。今まで「国債の保有者は国民だから、国が破綻することはない」という説明を受けてきましたが、本書では近いうちに国民でも買い支えきれなくなることを示しています。国債を外国に買ってもらうことになれば、外国人の投資・投機対象となり利率が跳ね上がる→利子がとてつもないことになる、と簡単に想像がつきます。

僕は、日本人はやけに不幸せだな、なんでだろう、と常々思っていました。少数派の考えかもしれませんが、日本に生まれたことは幸福であっても、生きていくことが幸福だとは決して思いません。それくらいの危機感を持っていました。ですが、実態はそれ以上に危機が差し迫っていて、それ以上に「やばい」のだと、本書を読んで感じました。

なにが不幸せかって、仕事にとらわれて、目の前の国や住む場所のこと、そして政治や国のあり方について議論する余裕が無いこと。ビジョンもなく暗闇の中を突っ走るようなそれは、絶望感すらまとっているように感じられます。

僕が流したこれまでの涙のうち、殆どは自分のせいだと思います。自分の至らなさ。ですが、1割くらいは社会のせいにしてもいいんじゃないかな、と思います。

だって、そう思わないと現状を変えたいなんて思えないでしょ?仕事に追われる毎日に忙殺されて、そんなことすら考えられないのは、どう考えても不幸ですよ。

そして未来の世代はもっと不幸です。課題を先送りにしてはいけません。

お金は問題を解決してくれるが、万能の神ではない。

終盤では、お金に関することを、ファイナンシャルプランナーの立場から説明しています。

いわく、お金は万能の神ではないと。

物々交換の手立てとして登場した貨幣ですが、いつしか紙幣が登場し、金本位制の崩壊やインターネットの開放という歴史を経て、いまやインターネット上をマネーが飛び交う時代です。

そんな中にあって、お金を貯めるという手段の「目的化」に著者は疑問を投げかけています。通帳を見ている時が一番幸福そうな笑顔を浮かべる、病床で年老いた元経営者の話を読んだときは、切ない気分になりました。それだけの魔力・魅力がお金にはあるし、でもそれだけでは本当の幸せは得られないんだなって。

お金はあくまで手段。それを使う目的を持つことこそが、幸福への近道だと思いました。

3つの資本。それぞれを充実させることが重要。

3つの資本とは、ヒト(健康・能力)・資本・人間関係。これらを充実させることが重要だというのが、本書の要です。

お金も、これらを充実させるためにあるのだと、僕はそういう意図を感じました。

そういう意味で、健康で人間関係に恵まれていれば、お金がなくても幸せだというのには納得です。何も貧困を肯定するわけではなくて、お金がなくても助けてくれる知り合いが居たり、かまってくれる親しき友人と遊ぶためにお金を使うから宵越しの金はないっていうのは、間違ってないなと。その関係に依存するのでなければ、持続可能な生き方だとも感じました。

日本の危機と、お金の意義

一見噛み合わないふたつの議論が並び立つ本書ですが、目的、すなわち故郷の日本をよくするために手段としてのお金を使うということは、ある程度リンクしているのかなと。

その方法は、それこそ人の数ほどあるでしょう。

もっと、みんなが自分の国を大事にしてくれる、そしてそれが回り回って社会がみんなを大事にしてくれる社会に変わっていくことに、この本は役に立つと思います。

現状の政治では、日本は変わらない。

付け足しておきますと、安倍政治も、野党の標榜する政治も、一長一短でまだ不完全だと感じます。大げさかもしれませんが、現政権や過去の政治家(民主・社会党含む)のやってきたことは、もはや国民にとって害悪なのかもしれません・・・。僕はもう、政治家には期待していません。選挙には行きますが。

国民が目覚めることが必要だと思います。不幸な日常から、社会のことを考えられる日常へ・・・。

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