【サクラクエスト】町おこしのアニメがアニメオタクに訴えるものとは


©2017 サクラクエスト製作委員会

田舎はオワコン、と思われるけど…


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最近はIターンもムーブメントとなりつつありますが、少し前まで「田舎」は完全に終わったものだという雰囲気が日本に満ちていました。でも、未だにアニメオタクの間では田舎は「行きたくない」ものだと思います。

だってアニメ放送してないし、声優にも会えないし…。

そんなアニメオタクたちに問題提起を”あえて”やっているのが、サクラクエスト。制作はPA.WORKSという、アニメオタクにとって「北陸魂」を感じる会社です。舞台ももちろん、北陸。富山の間野山という架空都市で、5人の少女と地域の大人たちによる地域おこしの物語が描かれています。

これは特に日本人にこそ言えることだと思うのですが、呑気というか「なんとかなる」と思いがちです。田舎にもそういう雰囲気が絶望感とあいまって「ゆるい諦め」として満ちています。僕の住む町も、保守層が支配的で、新しいことをはじめる人はヤッカミを受けます。

田舎の課題という側面では、妙にそのリアルさを表現できている


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そんな感じの空気はアニメの舞台である間野山にもあって、それは観光協会のドン「門田」と商工会のボス「千登勢」の対立というわかりやすい構図で描かれます。すなわち、街の活性化というミッションのために町に人を呼びたいという門田と、自分たちが暮らしていくには十分だから、余計なことをしないでほしいという千登勢の二項対立です。

描かれる課題もリアルで、イベントが一過性に終わること、地に足着いた、地域のニーズを満たしたアクションが重要であること。そして主人公・由乃を含め地域の住人たちが「笑える」ような町おこしを目指すというベクトルがはっきりしています。

主人公・由乃の来歴はここでは省くとして。最初、なんというか器だけで中身のない頼りない由乃は、これを書いた当時の最新17話では、自らへの批判に対し仲間の援助の言葉を遮って地域の住人に対して意見を言うなど、成長が見られます。

地域おこしの本質は人の成長である


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地域おこしの本質は、僕は人の成長にあると思っています。だって、一般企業だってそうじゃないですか。新人の育成をなおざりにする会社はいずれ行き詰まるし、改善というテーマを旗印に数十年の不況を乗り越えてきた企業もあります。人を成長させて、労働力という資本を大きくするのが起業のミッションであるはず。ならば、地域でも同じこと。地域を良くするには、労働力資本の拡大は課題です。

ここがミソなのです。「俺でも、地域をよく出来るんじゃないか…?」と思わせることが。これがこの作品に与えられたひとつのミッションだと思っています。

もちろん、変にコミカルだったり、一般人が見やすいように主題歌がキャッチーだったりと「保険」「逃げの手」は仕掛けられていますが、それ故にやはりターゲットは「俺たち」アニメオタクだと思っています。

アニメオタクにもできる事が必ずある


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最初に戻りましょう。アニメオタクと田舎は相性が悪いと。ではなぜ、アニメオタクに訴求力のない話題をアニメオタクにするのか。

これは、アニメの作り手にとって究極の課題である、「アニメなんか観てるなら外に出ろ」に通ずると思います。宮崎駿も、このジレンマに悩んでいたのです。つまりは、アニメを通してオタクに現実感を取り戻してほしいけど、観てもらわないと産業が成り立たない。

もちろん皆が皆そう思ってアニメを作っているわけではないと思いますが、娯楽っていうのは一般的に清涼飲料水のようなもので、飲みすぎると体に毒です。アニメはその傾向が強く、摂取しすぎて埋没するのは、あまり良いことではありません。まあこれはアニメに限らない話ですが。

アニメオタクに託す、町おこしと並ぶもうひとつのメッセージ


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つまりは、アニメの永遠のジレンマと課題をアニメオタクに託すというのが、このアニメの町おこしと並ぶメッセージなんじゃないかと。

現状に不満を感じているアニメオタクは多いと思います。彼女も居て友達もたくさんでリア充なアニオタって、少ないですから(リア充が不満を持っていないとは言いません)。だからこそ、アニメを見て現状に甘んじることなく、活力を持って社会を変えて欲しい。そのためにアニメを作っているのだと、このアニメからはそんなチカラを感じています。

だから、僕としてはアニメを見ながらでも、現状にチャレンジをしてほしいと思います。現実から逃げている僕が言うのもオカシイですが、嫌なこと、理不尽なことって社会に溢れています。最近つとにそう感じます。その波を乗りこなして、「いい大人」になって、現状を変えていこうじゃないかと。今の日本はどこを見てもハッキリ言ってひどい状況ですが、ピンチはチャンスと思って塗り替えていきたいです。

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