ドキュメンタリー【Tokyo Idols】感想。日本とオタク。

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https://www.netflix.com/title/80163353

netflixで見ることができるドキュメンタリー映画を紹介します。

ドキュメンタリーって、現実を描いているだけあって、見ると疲れるものが多い気がしますが、例に漏れずこれもげんなりするような内容です。じっくり責められるMにおすすめ。

作風

概ね中立的だが、アイドルの繁栄自体は、現象としてはネガティブ。故に必然的に批判的。

アイドル業界を、評論家やプロデューサーといった「外側からの視点」をもつ人々。そしてアイドルオタクそのものであるオジサン・青年たち「内側からの視点」双方で描き、中立的でいようと努力しているように感じられる映画でした。

ですが、アイドルの繁栄という現象そのものが、どう捉えようとネガティブなものであり、結果として批判的な内容になっています。

簡単にいえば、アイドルとは処女性を切り売りする、ある意味残酷なものです。

若いこと、かわいいこと、実力があること、そしてそこにお金を出す人がいる。

そこにこそ価値があって、それでいて宗教じみた存在が、アイドル業界なのです。

最近は、声優の二次的な立場としてもアイドル業界は機能しています。僕の好きな三森すずこ・内田彩などもここに該当します。

ラブライブももちろん好きです。

ゆえに、作中しばしばラブライブやアイドルの映像が出てきて、それが批判的な文脈で使われることもありました。アイドル業界への批判も描かれるわけで、けっこうHPを削られながら見ました。

この作品の批判は的外れではない。

しかし、フェミニストっぽい評論家の北原さん含め、その分析の切り取り方は、中立性を極力維持しようとするこの作品の性格上、とても説得力を持って視聴者に迫ってきます。

決して的外れではありません。

その批判とは。いま、日本の男性の多くは、恋愛よりもハードルの低いアイドルという領域を選び、その処女性と偶像崇拝による「祈り=癒やし」でもって、自らの肯定感を得ているというものです。

処女性を買い、合法的に心を満たす。ここに、否定の余地はありません。

だからこそ、ぼくは見ていてHPを削られたのです。

アニメだって、そのキャラクターを売買するような層にとっては無縁ではありません。

アイドルオタクは批判対象ではなく、現象そのもの

だが、アイドルオタクを非難する作品でもない。

終盤、アイドルの応援をして、汗と涙を流すオタクは、ある意味ステージの照明と自らの持つペンライトに照らされて、輝いています。

彼らはまた、批判される筋合いがない。そんなことを描いているようにも感じました。

すごい矛盾するんですが、現象としてはネガティブ。でもそのネガティブさはオタク本人にとっては輝きなんだと。僕もそれに異論はありません。

砂漠国家・日本のオアシスは、アイドルかもしれない。

彼らは間違いなく輝いているのです。希望を持っている。

やはり映像の合間に描かれる、無表情で疲れ切ったサラリーマン。ぞっとします正直。

これを見ると、日本ってとても不幸で、不健全な国なのかな?思わずそう思ってしまいます。

この作品ではあまり描かれませんが、日本人は空気を読むことに疲れ果てています。若者はSNS・学校、社会人は会社で。

そんな砂漠の中に、オアシスのごとくアイドルのライブ会場がある。

彼らアイドルオタクに、責任がある、恋愛をしないから少子化が進むとか。

そんな批判を言われる筋合いはないのです。乾きを癒そうとたどり着いた先がたまたまそこだっただけのこと。そう理解しました。

序盤、なんとなく生きてきて、なんとなくアイドルにたどり着いた。そんなファンも描かれます。

ですが、渇きがないと、アイドルのおっかけなんていう、どこまでもいっても日陰者趣味にすがろうとは思わないでしょう。彼にとって変わらない平凡な日常こそが、希望を見いだせない国・日本での砂漠だったのです。

そして、このアイドル業界を通して見えてきた日本の絶望的な状況に、制作陣・作者はきっと僕以上にげんなりしていると思うのです。

終わりの見えない砂漠を歩き、たどりついたオアシス。そこにももちろん業界の搾取構造という闇はあります。ですが、彼らにとってはやはり紛れもないオアシスです。

終盤に出てくる、10歳のジュニアアイドルの親がちょっとおかしい・・・

ですが、この問題に親が無自覚なのは問題です。

終盤に出てくる、10歳のジュニアアイドルの親は、ちょっと子どもにどういうことを教育すべきか、わかっていないのではないかと思いました。

教育の放棄にすら感じられます。

10歳が、自らすすんで処女性を、それもおそらく無自覚に売り出していくなんて、あまりに不健全です。

結び。

とまあ、あまりおすすめできない、特に元気のない人には。そんな内容なのですが、あえてアイドル業界を通して日本を俯瞰したい、そんな人は見てみるのもいいでしょう。

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