アニメ監督水島努氏がファンから絡まれた話。なぜ人はネトウヨになるのか。

一般生活

ネット右翼・通称「ネトウヨ」って、右翼のわりに、左派政権を主導する安倍晋三氏を支持するなど矛盾に満ちた存在であるわけですが、なぜ彼ら「愛国者」が左派からも右派からも嫌われる政策を取り続ける安倍政権を支持するのか、考えてみました。

 

本当は土いじりの話を書きたかったんですが、それはまた今度。

安倍政権とは

安倍政権は、「緊縮財政(財政健全化)」と「憲法改正で内外に対し強い国を作ること」を目的とした、改革=左派政権です。

そしてこれをうまくまわすための「アベノミクス」と「増税」が、政権内でのある意味での潤滑油なのです。

僕はそう理解しています。

 

アベノミクスはいわゆる「三本の矢」で経済を喚起する政策で、実際に株価をどん底から2万円台まで安定したところに持っていくなど、一定の成果を得ています。

 

また、憲法改正(特に自衛隊の取り扱い)には僕も賛成なのですが、国民の権利をなかば取り上げるような条文の記述には反対しています。

 


日本を普通の国にしたいという思いは理解できます。ですが、これら条文はあまりに戦前回帰的であり、黴臭さを帯びた考え方です。

だからどうすればいいのよ、と言われそうですが、無理に「美しい国」的にこういう条文いじりをするのは納得できません。

政治かぶれ的に見れば、保守思想の皮をかぶったリベラル思想です。

 

何よりも、国民を納得させるのではなく、目先を別のところに向けさせてその間に改憲を、という雰囲気が感じられることが胸糞悪いのです。

 

お上の決めた憲法ではなく、国民主権のもとでの憲法改正であるべきです。その結果戦争への道を進もうとも、それはある種仕方のないことです。

(そもそも第二次大戦は避けられない戦いだった、という理解でいます。)

 

アニメ監督・水島努氏、ファンからの批判を受ける

事の発端は5月10日のこのツイート。

著名人が一斉に政権に反旗を翻した最中の出来事でした。

水島氏は、アニメ制作の監督。いわばモノづくりを担う人々です。

第二次大戦前後の戦車に乗って女子高生が競い合う「戦車道」をテーマとした「ガールズアンドパンツァー」はアニメ好きで知らない人はいません。

 

いままで政治に漫画家やアニメの現場の人が触れるのはせいぜい宮崎駿氏くらいなもんだと思っていたので、「やるなあ」と思いながら見ていました。ところが・・・。

 

曰く「がっかりした」「残念」

 


こうしたツイートが先の水島氏のツイートに対して山ほど寄せられました。

僕も驚きましたので、この反応はある程度理解できます。

ですが、あまりにも上から目線ではあります。まるで水島氏が何者かの「操り人形」になったのではないかと疑ったり、がっかりして離れていく人がいますよ、という半ば脅しのようなツイート。

 

これに対して水島氏は

と意に介さない様子。

当然です。意見表明して、もし過ちがあれば修正すればいい。政治音痴はだまっとれ、的な今の日本のインターネットの状態ははっきりいって異常です。

 

安倍政権への追従姿勢はやがてネトウヨらをも苦しめる

ネトウヨの話に戻ってこれました。

当然のことですが、前述のツイートの通り、安倍政権の憲法改正案は国民の権利制限を多分に含んでいるため、ほっとくとネトウヨの首も締めることになります。

政治に意見すれば弾圧される。もし時の政権が中国におもねっても、笑ってやりすごすことしかできなくなるのです。

これがネトウヨの望む世界なのでしょうか。僕にはディストピアにしか思えません。

 

安倍政権に自らのヒーロー像を投影するネトウヨ

僕も、一時期「民主党は日本を破壊しようとしている」「自民党の憲法改正こそ国をよくする」「中国は日本にとって最大の脅威だ」と思い込んでいました。

 

呪縛は徐々に溶けていきました。社会生活を送る中で、「安倍政権の政権運営は稚拙」「憲法改正は主権者の参加が不可欠」「日本の安全保障上の最大の脅威は自然災害」てな具合に。

 

悪だとか善とかじゃなくて、安倍政権に着いていったら「殺される」と思ったんですね。

安倍首相や大臣らの国会答弁を、一回見てみてください。本当に国民の意見を代弁しているといえるのか、はなはだ疑問です。

 

ところが、前述のようにネトウヨだった僕。その時の思考ロジックはこうです。

 

自民党が国を良くしてくれる。そして中国という外患から国を守ろう。そのためには戦場に行って死んでも構わない。それが仲間や家族を守ることにつながるのならば・・・。

 

こうして、ヒーローである時の政権や野党時代の自民党に自己陶酔を投影し、それ以外の選択肢などないかのように思っていました。

 

民主党政権時代の出来事や公明党は?

まあ、鳩山政権の外交的バランス感覚の欠如と野田政権下での尖閣諸島中国漁船衝突事件の経緯には本当にがっかりしましたけどね。これは今でも変わりません。

 

だから手放しに今の野党を支持するつもりもありません。

そもそも保守派なので、自民党とも立憲民主党とも相いれません。公明党はやってることが支持者=創価学会信者らの想いと、かけ離れているので・・・。

 

強いものとの同一感=気持ちがいい

話がそれました。感覚的な話になってしまうのですが、ネトウヨ的思想って、政策の内実がどうこうよりも、他者にマウンティングをとって劣等感を忘れられることのメリットが大きいのですよ。

実際、野球やサッカーで強い球団を応援するのは気持ちがいいです。それと似ている。

 

ある意味ノンポリのような性質も持っている

なので、ある意味ノンポリにも近いわけです。

本質的に正しいかの議論を置いておいて、結論ありきで相手を批判する。

よって、議論が成り立たず、「我々は常に正しい」という思想でもって、水島氏への批判をしてしまうのです。

 

結論:精神的に時の政権とつながるのは気持ちがいいから

結局、政治以前の話でしたね。

 

ネトウヨ的には、安倍政権は中国と闘ってくれるヒーローという扱いなんでしょうが、我々の首もギリギリ締めてきますよ、という話でした。

 

政治の話は好きなんですが、実際にブログに書くとなると下調べが必要なので嫌でした。

今回の件は雑談レベルの「当たり前のこと」を前提とした話なので、とりあえず取り掛かってみました。

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